朝吹真理子「きことわ」考察、感想、ネタバレ [感想]

関係ない話から。最近アニメ「へうげもの」が非常に面白いです。はい、では本題。

今年の上半期芥川賞受賞作です。同時に芥川賞を受賞した「苦役列車」も買いました。まだ読んでませんが。
全体的にはさわやかな雨雲のような、そんな印象。悲哀に満ちたその雰囲気は大人になった誰もが感じたことのある内容でした。

きことわ

物語自体はね、全くこれといって凄いとかないんですよ。貴子と永遠子が四半世紀ぶりに会うお話。過去の回想などの描写はとても美しく感じられました。先に言った「さわやかな雨雲」というのはさわやかなことには違いないけれど、それは過去の出来事であって、想い出でしかないという感じでしょうか。けれど、やはりその流れはやはり新たな日本文学を感じさせます。日本の文学であるからこその表現と言うのが散りばめられていました。近頃は外国の作品もよく読んでいたせいか、逆にそれを強く感じました。
外国語の小説がどうなのかはよくわかりませんが、日本語というのは全く同じ意味を持っていても、ほんの少しの書き方で全く違った性格になると思うのです。当たり前かもしれませんが、実は日本語においてその性格はとても顕著なものだとおもうのです。それ故に日本の文学はそれぞれの小説がそれぞれのジャンルを持っているというくらいの個性があります。
それが今回の芥川賞二作はとてもわかりやすく現れています。「きことわ」と「苦役列車」を本屋さんで少し立ち読みしてみてください。全く正反対の二作は並べてみると新しい発見があります。
そしてその個性豊かな作品が「芥川賞」や「直木賞」を受賞するのです。新たな文学の切り口はこういった個性豊かなものがよく選ばれるのでしょうね。今回、この「きことわ」が受賞したのもそういった理由でしょう。
その世界観が丁寧な言葉一つひとつに現れているようです。まさに純文学として素晴らしい完成度だという感じがいたします。
しかし、それ以上は敢えて特に何も言わないことにしましょうかね。なんとなく。芥川賞受賞作としてみるならばこれだけで充分なのです。
今日は本の感想と言うか、純文学としての感想になってしまいましたが、このあたりでおやすみなさい。
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